ドライアイ
涙の量が少なかったり、あるいは量は十分でも質が悪くなることによって、眼の表面が乾燥して傷ついたり、見づらかったり、違和感がある状態のことをドライアイといいます。コンタクトレンズを装用しているとなりやすいことや性ホルモンの関係から男性よりも女性に多く、現在の日本には約800万人ものドライアイの方がいるといわれ、さらにその数は年々増加傾向にあります。増加傾向にある大きな原因はパソコンの使用です。
私たちは通常の状態では意識しなくても1分間に20回くらいのまばたきをしていますが、パソコンやテレビなどの画面を見ているときはそれが1分間に3〜4回程度とかなり減っているため、それだけ眼表面が乾燥しやすい状態になっているのです。
日常生活でできる対策としては、以下のものがあります。
- 意識的にパソコンなどでの仕事時には、30分程度で目を閉じての休息を挟む
- モニターの位置を顔より低くして、目線を下げた状態で作業できるようにする
- 目の開いている面積が狭くなるため、乾燥しにくくなります
- エアコンや扇風機からくる風が、顔に直接当たらないよう向きを調節する
- 部屋の湿度が高くなるように、加湿器を置く
眼科でできる治療としては、以前からあった保湿作用のあるヒアルロン酸の点眼に加えて、日本発の「涙そのものを分泌させる」点眼が2010年と2012年に処方できるようになりました。
点眼治療でも効果が不十分の方は、目頭にある涙の排水路をシリコン製の栓や体温で固まるコラーゲン、あるいは手術で塞ぐ治療法も当院では行っております。シェーグレン症候群や関節リウマチといった、自己免疫疾患に伴う重症ドライアイの方で必要になることがありますので、他院で点眼治療中の方で症状が治らない方はご相談ください。