緑内障とは
視神経が弱くなって視野が狭くなる病気です。
眼圧が上がることで視神経が弱くなる場合や年齢と共に視神経が弱くなることがあります。どちらにしろ眼圧が視神経障害を進行する要因となります。視神経は一度障害を受けると、元に戻ることはありません。
眼圧と線維柱帯
眼圧は目の中の圧力のことで、房水(目の中の水)の流れによって左右されます。房水は毛様体から産生されて隅角(角膜と虹彩の角の部分)にある線維柱帯/房水静脈を通り眼外に流れていきます。眼圧を上げる一因として線維柱帯の抵抗性があります。
緑内障治療
緑内障はまずは点眼薬での治療となります。緑内障は治ることはありませんので、目標眼圧を設定して治療することが必要です。進行度や眼圧などにより点眼や内服や緑内障レーザー光凝固/SLT/選択的レーザー線維柱帯形成術や緑内障レーザー光凝固/マイクロパルス光凝固や緑内障手術などが必要となります。
SLT/選択的レーザー線維柱帯形成術
SLTは選択的レーザー線維柱帯形成術といい、線維柱帯にレーザーを照射します。この短パルス波長のSLT照射によって、線維柱帯からの房水の排出機能が改善し眼圧を下げる効果があります。SLTは点眼麻酔で通常5-15分ほどで終わります。
緑内障手術は線維柱帯切除術トラベクレクトミーも線維柱帯切開術トレベクロトミーもエクスプレス手術も目に対する侵襲が大きいので、緑内障手術の前にSLTやマイクロパルス光凝固を選択することが良いと思われます。緑内障レーザー光凝固ではSLTの方がマイクロパルス光凝固より比較的マイルドな効果で侵襲も少ないです。かかる費用は緑内障手術の1/2~1/3くらいの金額となります。
合併症や術後の注意点
SLTは非侵襲的な治療法で、合併症が少ないので、繰り返しの治療が可能です。どの時期においても選択が可能です。眼圧はゆっくり下がっていきます。効果は個人差があります。