目の症状・病気

気になる目の症状・病気

目が疲れる、しょぼしょぼする(眼精疲労)

目が疲れるという訴えで眼科を訪れる患者さんは非常に多いのですが、「疲れ」というのはいろいろな病気のために出てくる症状ですので、病名をハッキリつけるのは最も難しいと言っても過言ではありません。
大まかに年齢別に分けて原因を挙げます。

【40才以上の方】
  • 遠視、近視、乱視、老視斜視などの眼球の向きの異常
  • 調節障害、老視、斜視、などの調節異常
  • メガネやコンタクトの矯正不良
  • メガネやコンタクトの矯正不良
  • ドライアイ
  • マイボーム腺機能異常症 アレルギー性結膜炎
  • 白内障 緑内障
  • ストレス 不眠症 自律神経失調症 更年期障害
  • 眼瞼けいれん
【20〜30代の方】
  • 遠視、近視、乱視の矯正が不適切や円錐角膜などの屈折異常
  • 斜位、斜視などの眼球の向きの異常
  • ドライアイ
  • メガネやコンタクトレンズ矯正不良
  • ストレス 不眠症

などが多くみられます。

他にも他にも甲状腺眼症、睫毛乱生、結膜弛緩症、麦粒腫、翼状片などいろいろな病気の可能性がありますので、長く続く場合には安易に自己判断せず、受診をお勧めします。

目のかすみ(かすみ目)

「目がかすむ・ぼやけて見える・ピントが合うのに時間がかかる・視力が低下した・膜がはったように見える・くもって見える」など、かすみと言っても人によって様々な感じ方があります。特に40才以上の方から多く聞かれます。かすんで見えるけど少し時間がたつと治る、といったような一時的な目のかすみの場合は、次の原因の事が多いです。

  • 遠視、近視、乱視の矯正が不適切や円錐角膜などの屈折異常方
  • 調節障害、老視、斜視、などの調節異常
  • ドライアイマイボーム腺機能異常症 アレルギー性結膜炎
  • 後部硝子体剥離

しかしながら、数分たっても改善しないかすみであれば大変な病気である可能性も否定できません。次に挙げる病気が原因になっていることもあります。

一般的に、急に見え方が悪くなってきた場合(数時間、数日単位)は急いで対処しないといけない病気であることが多いので、早めの受診をお勧め致します。

目が乾く

最近はかなりみなさんにも浸透してきた病名ですが、目(eye)が乾く(dry)病気のことをドライアイといいます。
通常の生活をする上では問題ないのに、パソコン作業をする際などはまばたきの回数が著しく少なくなっているため、仕事中だけ目が乾燥するといった方や、寝起きは涙の分泌が少なくなっているためその時だけ症状が出る方もいらっしゃいます。
周りの空気が乾燥している(エアコン使用時など)場合や
長時間のパソコン作業やテレビ鑑賞などで、まばたきの回数が減っている場合や
(※通常のまばたきの回数は1分間で15~18回ですが、パソコンなどディスプレイを見続けているときのまばたきの回数は7~12回に減るといわれています)
コンタクトレンズを使用している場合も目が乾くことがあります。
シェーグレン症候群などの病気があったりマイボーム腺の機能異常症なども最近は言われております。涙の量・質いずれかの問題なのか、自然に治ることはなく年齢やストレスで進行しますので、点眼薬や涙点プラグ挿入術などの治療が必要です。

涙が出る、常に溜まっている感じがする

特に60才以上の方に多い症状です。人によっては涙がこぼれるためにハンカチやタオルが一日中手放せなかったり、涙がたまって見づらいという訴えの方もいらっしゃいます。

涙の分泌量が正常よりも多くなっている場合(睫毛乱生、眼瞼内反、結膜炎、特殊なドライアイ)と、涙の分泌量は正常なのに涙が鼻へ抜けていく排水路が詰まっている(鼻涙管閉塞)ためにあふれてしまったり、あるいは白目をおおっている結膜が加齢現象でだぶついている(結膜弛緩症)場合などがあります。

新生児や乳児に涙や目やにの症状がある場合は、先天性鼻涙管閉塞症や涙嚢炎の合併の可能性がありますので、先天性鼻涙管閉塞症手術の行っている施設に受診をして下さい。
点眼や手術により治すことができる場合がありますので、一度受診していただいて診断をつけたうえでその後どうするかを相談しましょう。

点眼や手術により治すことができる場合がありますので、一度受診していただいて診断をつけたうえでその後どうするかを相談しましょう。

近くが見づらい、遠くが見づらい

遠視、近視、乱視、老視があり、眼鏡やコンタクトレンズによる矯正が不適切な方でよくみられる症状です。とくに安売りの眼鏡店へ直接行って、安直に作られた眼鏡を使っていらっしゃる方がほとんどなので、眼科へ受診して度数を確認し、そちらで発行した処方箋を元に作り直すことをお勧めします。老眼鏡を含め、眼鏡は既にもっているという方でも、前回作成してから約3年経過していると作り直す必要があることがほとんどです。

また残念なことに、せっかく作成した眼鏡もめんどくさがってかけずにいるため、見づらいという訴えで来られる方もしばしばいらっしゃいます。40歳以降になると老視のせいでピントの合う範囲が狭まってしまうことは、誰しもにあることです。眼鏡をかければ見えるが裸眼だと見づらい、という問題であれば、まずは眼鏡をかけることに慣れていきましょう。

特に遠視や乱視や白内障がある患者様には、年齢が早めに出てくることもあります。

ゴミが飛んで見える(飛蚊症)

若い方の場合は生理的飛蚊症という、人間の眼球の大部分を占める「硝子体」のなかで、コラーゲンが線維状に固まってしまったものが、網膜上に投影されている現象のことが多いです。
50歳から60歳の方や若年でも近視が強い方は、後部硝子体剥離に伴う症状であることがあります。まれに、網膜剥離、網膜剥離裂孔、硝子体出血、ぶどう膜炎などが原因のことがあります。
年齢にかかわらず、目や頭をぶつけた後から飛蚊症が出てきた場合や、そうでなくとも急に症状が出てきたような場合は、早めに眼科へ受診して検査してもらうことをお勧めします。

ゆがんで見える

目の奥にある網膜が不整にゆがんだ状態になってしまっているためにおきる症状です。

などの病気では網膜にシワが寄ったり、網膜に水や血液がたまって盛り上がってしまうために、ゆがんで見えるようになってしまいます。
症状に気づいた時点で早めに受診し、眼科専門医の診察を受けた方がよいでしょう。

視界の真ん中に見えないところがある

目の奥にある網膜の真ん中(黄斑部)が障害があると、でてくる症状です。網膜というのは非常に薄い膜なのですが、とくにものを見る中心となる部分の厚みは約0.25mmで、周りの網膜よりも薄くて構造が少し異なっているため、穴が開いたり出血したりといった病気がおきやすいのです。

といった病気が代表的なものですが、他にも眼底出血や視神経炎、脳梗塞が原因でおきていることがあります。いずれにしろ早めの処置が必要となる症状ですので、気づいたらまず眼科専門医を受診してください。

大きく見える、小さく見える

目の奥の網膜には、外から入ってきた光を捉える「視細胞」が敷き詰められています。この視細胞の間隔が病気のために広がってしまうとモノが小さく、間隔が狭まってしまうとモノが大きく見えてしまいます。

【モノが大きく見える病気】
網膜前膜、ではモノが大きくみえます。
【モノが小さく見える病気】
糖尿病網膜症中心性漿液性網脈絡膜症
黄斑円孔という網膜のど真ん中に穴が開いてしまう病気の初期では、視界の中心部が小さくすぼまって見えることがあります。

また、これらの網膜の病気とは違って右目と左目の近視や遠視の度数差が大きいとき、眼鏡で矯正しようとすると大きさが違って見えます。これは、遠視を矯正する眼鏡は凸レンズのため度数が大きくなるとモノが大きく、近視を矯正する眼鏡は凹レンズのため度数が大きくなるとモノが小さく見えてしまうためです。

まぶしい

暗いところから明るいところへ出ると誰でも眩しく感じるものですが、これは暗いところでは瞳が開いたり網膜が明るさを感知しやすい状態となったところ(暗順応)で、環境が変わったために光が眼に入りすぎてしまっておこる現象です。
それに対して、家の中にいても眩しい、一緒にいる家族や友人は何ともないのに自分だけ眩しい、といった症状は病気の可能性があります。
患者さんの数が多い「白内障」が原因であることが最も多いのですが、夏の日差しや夜間の運転時に対向車のヘッドライトが眩しく感じるといった方が多いです。
その他では、眼瞼痙攣や角膜のキズ(点状表層角膜症)、網膜色素変性症などの病気が原因でまぶしさを感じている方が、しばしばいらっしゃいます。サングラスをかけていれば大丈夫だから、と受診しないままで放置せず、きちんと眼科専門医を受診して診察をうけましょう。

だぶって見える(複視)

だぶって見える=乱視?斜視?脳の病気?と考えて受診される方はかなり多いのですが、その他にもいろいろな病気が原因となりえます。

まずは片眼で見てもだぶって見えるか、両眼で見たときだけだぶって見えるかを確認しましょう。両眼でも片眼でもだぶって見えるという現象は、だぶって見える眼球そのものに問題があります。両眼だとだぶるけど片眼だと大丈夫、という場合は両眼の向きがずれている(斜視)ことが考えられます。

といった病気・状態は、片眼で見てもだぶる原因になります。

  • 脳梗塞
  • 甲状腺眼症
  • 強度近視
  • 特発性眼窩炎症

といった病気は、生まれつきでないタイプの斜視の原因になります。特に、急に症状が出てきた場合には早めに対処しなければならないことがありますので、すぐに受診していただいた方がよいでしょう。

目がゴロゴロする、痛い

目のゴロゴロ感と痛みは多くの場合関係していて、 「目の痛み」を訴えて受診する患者さんに気をつけていただきたいのは、痛いのがどこなのかを具体的に表現していただきたいことです。

目の表面がゴロゴロするような痛みなのか、眼球そのものが痛いのか、目の奥が痛いのか、まぶたが痛いのか、もしまぶたが痛いのであれば上か下か鼻側か耳側かを教えていただくことで、診断の精度が高まります。目の表面のゴロゴロ感や痛みはほとんどの場合で眼球表面の結膜や角膜が刺激されて生じているので、次に挙げるものが原因のことが多いです。

時にバイ菌やウイルスによる角膜炎などの重症な病気が原因となっていることもあります。
眼球そのものや目の奥が痛む場合は、より深刻な病気の可能性が高くなり、次に挙げるものが代表的な病気です。

  • ぶどう膜炎、強膜炎、外眼筋炎
  • 視神経炎、視神経周囲炎
  • 副鼻腔炎
  • 片頭痛

他にも眼窩先端部症候群やトロサハント症候群、三叉神経痛といった病気の可能性を調べなければなりません。見づらさがないか、目を動かしたときやうつむいたときに痛みが強くならないか、などの情報をチェックするとともに、場合によってはCTやMRIを病院で撮影しなければなりません。ただ、いろいろ調べた結果が眼精疲労による痛みであることもあるので、眼科医にとっては「目の疲れ」とともに診断が難しい症状の一つです。

視界に光がはしる(光視症)

眼球の中に含まれる「硝子体」は、若い頃は網膜に接着していて、加齢とともに縮み、網膜から剥がれてきます。これ自体は硝子体剥離という現象で誰にでもおこることなのですが、とくに網膜の端の方では硝子体と網膜の接着か強いため、硝子体が網膜を引っぱる力が働きます。この網膜を引っぱる刺激が、光として感知してしまうのです。それゆえに、多くの光視症が視界の端の方にでてきます。

いずれ、端の網膜からも硝子体が剥がれてしまえば光視症はなくなりますが、接着が強すぎて網膜が裂ける、網膜裂孔の前兆のこともありますので注意が必要です。

の前兆のこともありますので注意が必要です。早めに眼科専門医を受診して下さい。