第3回 埼玉臨床眼科セミナーのご案内
謹啓
時下、先生には、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、この度「第3回埼玉臨床眼科セミナー」を開催させて頂く運びとなりました。
先生には、ご多用中とは存じますが、万障お繰り合わせの上、ご臨席賜りますようご案内申し上げます。
埼玉臨床眼科セミナー / ノバルティス ファーマ株式会社
─巨大乳頭形成のメカニズムと治療─
春季カタルは重症のアレルギー性眼表面疾患であり、かゆみのみならず、時として角膜上皮障害とそれによる痛みや視力低下を伴い、患者のクオリティオブライフを低下させます。通常の抗アレルギー点眼薬に加えてステロイドの点眼・内服や免疫抑制剤の点眼などを上手く組み合わせる必要があり、時には乳頭切除などの外科的治療が必要になることもあります。
本講演では、演者らがこれまで行なってきた臨床・基礎研究のデータを示しながら、春季カタルにおける巨大乳頭やそれに随伴する角膜上皮障害の発生メカニズムと、様々な治療薬の使い分けについて考えてみたいと思います。
~日常の迷う症例の見極めから最先端診断まで~
一般眼科外来には、種々の眼疾患を持つ患者が来院しております。その中でもとりわけ神経眼科領域は、迷うべき疾患が多く、困ることが多いかと思います。
今回の講演では、大まかに全身と連携させた神経眼科の診かたを概説し、特に全科がそろっている病院に紹介したほうが良いと思われる症例を具体的に供覧し、お伝えしたいと考えています。また、神経眼科疾患を契機に来院した方への診察の手順や治療選択についての話では、複視で来院することが多い眼球運動障害と、視力障害や視野障害が主訴である視神経疾患に分けてお伝えしたいと思います。難治性視神経炎では新しい検査法や新しい治療法が少しずつ広まってきており、併せてご紹介したく思います。さらに眼から全身性疾患を発見するために必要なコツをいくつかお話する予定です。
本講演により、少しでも明日の診療に役立てていただければ幸いです。
─最近の話題─
一時期は外科的治療が主流を占めた黄斑疾患だが、抗VEGF薬の登場によりまた内科的疾患に戻った感が強い。とはいえ、黄斑円孔や黄斑前膜のように手術が唯一の治療の疾患も残されている。
OCTの進歩により、黄斑円孔術後の網膜微細構造の修復過程が解明されてきたが、関心は未だ網膜外層に向けられている。しかし、術後に網膜内層の菲薄化が進行することが明らかになり、内境界膜剥離との関連や視機能への影響が注目されている。また加齢黄斑変性による黄斑下血腫の治療では、硝子体手術、ガスによる移動、抗VEGF注入の併用などの選択肢が上げられている。
黄斑疾患治療における機能の評価方法が、従来の視力一辺倒で良いのか再考の必要がある。