第5回 埼玉臨床眼科セミナーのご案内

2013年7月26日(金)
川越プリンスホテル 5階「ティーローズ」
埼玉県川越市新富町1-22 ☎049-227-1111
共催:埼玉臨床眼科セミナー/千寿製薬株式会社
連絡先 :埼玉臨床眼科セミナー事務局 〒350-1316 埼玉県狭山市南入曽565-11
TEL:04-2999-0666 FAX:04-2999-0667

謹啓

時下、先生におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

埼玉県西部の眼科各領域における診療情報の共有の場として発足した「埼玉臨床眼科セミナー」も今回で第5回を迎えました。これまでたくさんの先生にご参加いただき、心より御礼申し上げます。

今回は、当教室の村岡督による当院における増殖糖尿病網膜症の治療成績についての一般講演の他、特別講演には東邦大学医療センター大橋病院/眼科・耳鼻科水車橋クリニックの矢部比呂夫先生、さいたま赤十字病院眼科の石井清先生をお招きしております。

講演後は情報交換会をご用意しておりますので、学術、医療を通してより親交を深めて戴ければ幸甚です。多くの先生方のご参加を心よりお待ち申し上げております。

謹白
防衛医科大学校眼科学講座
竹内 大
ご挨拶
教育講演
19:00〜19:20
当院における糖尿病網膜症患者の治療経過と予後
座長榎 敏生先生 えのき眼科 院長
演者村岡 督先生 防衛医科大学校 眼科学教室

国内の糖尿病で治療されている患者数は約270万人、無治療の患者数は約650万、糖尿病が強く疑われる人や可能性を否定できない「予備軍」は2,200万人以上にのぼると推定され、今後も糖尿病の患者や予備軍は増えていくと推測されています。そして糖尿病と言われた人の約10%は網膜症を合併しているとされていますが、治療技術の進歩により、網膜症を発症しても適切に治療を継続していけば良好な視力を維持していくことが可能となっています。しかしながら自覚症状がないために、糖尿病と気づいていない患者、糖尿病と診断されても放置している患者、治療に難渋する患者も多く、いまだに年間約3,000人が糖尿病網膜症により失明に至っています。

糖尿病網膜症の患者に対しては、眼科と内科の両軸での治療を並行していくことが重要です。今回、当院で眼科的治療と内科的治療が開始された糖尿病網膜症の患者の治療経過と予後について報告する予定です。

特別講演I
19:20〜20:10
難症例および最新の白内障手術について
座長櫻井 真彦先生 埼玉医科大学総合医療センター眼科 教授
演者石井 清先生 さいたま赤十字病院 眼科部長

白内障手術は,超音波白内障手術(PEA)機械の進歩によって,安全に行え,術中の合併症の発症率も減少しているが、いまだ難症例は存在する。1.硬い核 2.小瞳孔 3.Zinn脆弱症例はそれだけで難症例に入る。今回はこの3症例にスポットをあて、解決策を解説したい。

また近年の白内障手術の進歩は目覚しく、極小切開白内障手術(Micro incision cataract surgery:以下MICS)は急速に普及したが、白内障手術装置が水晶体を超音波で破砕し、吸引しているだけと理解される先生方もいらっしゃるが、破砕方式および吸引装置の進化は目覚ましく、従来の縦振動の超音波発振から、Microパルス,横振動さらには円運動も加わり、吸引装置は灌流状態のモニタリングセンサーの機能向上による飛躍的な前房安定性を提供し、また従来ボンベもしくは加圧空気の外部供給が必要であったベンチュリー方式が、ロータリーベーンポンプの搭載により外部接続レス、また前部のみならず完全な網膜硝子体手術も同時使用可能となったMICS装置、さらに1.8mm切開幅からのCoaxial MICSが可能となった超音波チップ、スリーブも登場した。今回のシンポジウムでは、現在国内で使用可能な最新の白内障手術装置、Fortas?(NIDEK),SignatureTM(AMO),Stellaris?(BAUSCH+LOMB),Infiniti?とConstellation?(Alcon)の計5機種を,切開幅(1.8-2.4mm),吸引方式の違い(ペリスタティック、ベンチュリー)、超音波発振方式の違い等の各MICS装置の特徴と実際の症例を呈示しながら使用方法についても紹介したい。

特別講演II
20:10〜21:00
日常診療における流涙症および眼瞼下垂の診断と治療
座長竹内 大先生 防衛医科大学校 眼科学教室 教授
演者矢部 比呂夫先生 眼科・耳鼻科 水車橋クリニック/東邦大学医療センター大橋病院 眼科

悲しくもないのに涙が出て常にハンカチが手放せない流涙症はご本人にとっては相当のストレスであり、ムンテラで年のせいばかりとは言ってはいられない。また、加齢性の眼瞼下垂も本来の良好な視機能を阻害するものであり、日常生活に相当の不自由をきたす。両疾患ともに日常の診療で遭遇する機会が増えてきているが、今後、到来する超高齢化社会では両者に遭遇する機会はさらに増えるものと思われる。

涙道閉塞の治療の基本は現在も涙嚢鼻腔吻合術(DCR)であるが、以前のような皮膚切開はせずに内視鏡下に経鼻的にアプローチする涙嚢鼻腔吻合術鼻内法(EN-DCR)が主体となってきている。眼瞼下垂も脆弱化した各組織により手術のターゲットを絞って最小限の侵襲での矯正手術を心がけている。

本講演では両疾患に対する日常診療における適切な診断と観血的療法を中心とした最近の治療法についてご紹介したい。

※プログラム終了後、情報交換会を予定しております。
共催:埼玉県臨床眼科セミナー/千寿製薬株式会社
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